しなって折れない竹のように

宮武です。

 

3月11日東北関東大震災が起きた時間、わたしはビッグサイトで
行われていた「ライティングフェア」の展示会場にいました。

 

電車は止まり、携帯はつながらず、まったく状況がわかりません。
ともかく会場を出て都心に向かいました。

なんとか東京駅に着いても動いているのはバスのみで、待つ人の列が

何重にもできています。

 

日が沈み、がたがた震えるほどの寒さが訪れ、余震も続くなか、
みな文句も言わずに列を作って並んでいます。

 

それどころか、近くの人にカイロを配る年配の紳士、周りに声をかけている
女性、公衆電話を探しに行ったわたしのために列の順番を空けていてくれて、
さらに戻りが遅かったことを心配してくれた母娘・・・。

 

すごいことです。ひとりでも恐怖の声や、不満の声をあげればパニックに
なる状況で、列に並んで順番を待ち、周囲への気遣いさえ見せる人々。

 

日本人は感情をあらわにしないので、何を考えいるかわからない、と言われる
こともありますが、自然災害の多い環境を受け入れて、生きていかざるを得ない
ためにその術を身につけたのかもしれません。

 

テレビに映される被災者の人たちも、叫んだりわめいたりするのではなく、感情を

押しとどめ、過酷な状況を受け入れて対処しようとしています。
それがよけいに胸に迫って毎日ぼろぼろ泣いています。

 

今日、被災地に個人で物資を届けに行く友人におにぎりを託しました。
本当に少ししかできずはずかしいくらいですが、せめて、勇断した友人たちの
道中のおなかの足しにでもなればと思います。