垣根の垣根の曲がり角ー♪

こんにちは!事務の竹内です。

寒いです。
こんな日はやっぱり部屋の中で読書が一番です。
なので石井さん、橋口部長に引き続き読書関連のお話。

 

今月のケンテックニュースレターの表紙のお題は
『あなたのオススメの映画は?』でした。
私は大好きな『イージー・ライダー』を挙げさせていただきました。
特に憧れていたデニスホッパーが亡くなってしまい、
追悼の気持ちで見返したものでした。

さて、実はこの回答をする時、あるもうひとつの作品と迷ったのです。

こちら
『華氏451度』 2010.10.29-2.jpg 2010.10.29-1.jpg

原作は大好きなレイ・ブラッドベリ!
物語は「書物を禁じられた世界」という珍しい角度のSF世界です。
この世界には焚書隊という消防士に似た職業があって、
人々が隠し持っている本を探し出して燃やす、という仕事をしています。

 

華氏451度とは本(紙)が燃える温度。
(後に出る『華氏911度』のタイトルはこの作品のオマージュかしら?)

 

主人公はこの焚書隊のひとりです。
書物を見下し撲滅してきたのに、
彼はある日を境に読書に興味を持ってしまいます。

 
作中、蔵書を発見された老婦人が燃やされていく本の中に身を投じ、
命と引き換えに政治を否定するシーンがありますが、
思わず身震いするほどの共感と、言い表しようのない感情が湧きあがりました。

 

物語の終わりには本を守ろうとする人達の行きつく先が描かれますが
この「守りかた」がとても素敵で、愛おしくなります。

 

 
ナチスの焚書をヒントに情報を遮断し思想統一しようとする
全体主義への痛烈な批判と言われる作品ですが
書籍の電子化が進み、大人が恥じらいもせずゲームに興じる現代に見ると
また違ったテーゼが浮かんでくるように思います。

 

映画も原作もどちらも秀逸なので、ぜひ!

 

…余談ですが、

『デイ・アフター・トゥモロー』という世界が大寒波に見舞われる映画で
主人公達が図書館に逃げ込むシーンがあります。
彼らは図書館の蔵書を燃やして襲い来る寒波から身を守るのですが
この図書館の館長が一冊だけ絶対に燃やさせないと抱えている本がありました。
たしか初めて活版印刷された聖書、グーテンベルク聖書だったはず…。

本を燃やさなくては全員死んでしまうかもしれない危機に
「歴史を守る!」と反発する館長は、作中、
空気の読めない滑稽な異分子のように描かれますが
わたしはこの館長がものすごくカッコ良く思えて大好きでした。
物語の最後でも大事そうに抱えています。最高のヒーローは彼です☆